基礎知識

マッサージに行った後、突然揉んでもらった箇所が痛くなったり、重だるくなったりした経験はありませんか?もしかすると、これらの症状は「揉み返し(もみかえし)」という症状かもしれません。名前は聞いたことがあるかもしれませんが、そもそも揉み返すとはどういう事なのか?など、不明な点が沢山あるかと思います。

実際に、「揉み返した事があり、不安で治療に行けない…」「揉み返しの痛みはどこに相談したらよいの?」「好転反応と揉み返しは別物?」など様々な質問をいただくことが多いようです。

この記事では、揉み返しが起きた際の対処法などについて、なかのぶスキップロード整骨院・鍼灸院黒澤尚耶 院長に揉み返しについて説明いただきました。

目次

揉み返しってなに?

施術後の反応は2種類ある

まず「揉み返し」という言葉についてですが、身体にとって良い反応と悪い反応の2種類が存在します。

身体に悪い反応を示す揉み返しは押されたところが痛くなる場合があります。逆に身体に良い反応を示す好転反応は押されたところの近くが重だるい、身体全体がだるくなるなどの症状がでます。

揉み返しとは

揉み返しとは、上記でも記載したとおり、マッサージ後などにあらわれる身体に悪い反応のことを指します。

揉み返しが起こる原因は過度な刺激(押す力が強すぎる)や、無理な姿勢での施術によって、筋肉にある筋膜や筋線維が損傷し、炎症を起こしてしまうことです。ひどい場合だと内出血を起こすこともあります。結果的に筋肉が固くなり余計に筋緊張が強くなってしまい、これが痛みとなります。

具体的な症状は施術した箇所に痛みがある、施術した周辺の凝りがひどい、頭痛や吐き気がするなどです。症状が3日以上続くと揉み返し、3日未満の場合はおおよそ好転反応と考えられます。

好転反応とは

好転反応とは、身体が正常な状態へ戻る際に起こる一時的な反応と考えられています。血行が促進されることで、下記の4つの反応が起こるといわれます。

  • 弛緩反応

マッサージや整体を受けた時に筋肉がほぐれることで、縮まっていた筋肉に溜まっていた毒素や老廃物などが、循環することをいいます。

  • 過敏反応

治療したのにもかかわらず、治療箇所に痛みやかゆみ、炎症などが生じます。

  • 排泄反応

体に溜まった毒素や老廃物を体外に排出しようとする動きのことです。汗、尿、便、皮膚に反応が表れるといわれています。

  • 回復反応

血行不良が改善されることで起こるといわれています。うっ血(血液が止まっていた)によって、汚れていた血液が一時的に巡り初める時に表れます。

揉み返しと好転反応の違いとは?

揉み返しで表れる症状

揉み返しと好転反応の違いとしては、症状の持続期間が挙げられます。好転反応の場合は安静にして体を休めることで、2〜3日後にはすっきりとした状態に戻ります。一方で、揉み返しの場合は、筋肉繊維を傷つけてしまうため、痛みが3日以上続くこともあります。症状としては長期間の痛みや怠さ、患部の痛み、吐き気や頭痛などが出る方もいます。

好転反応で表れる症状

  • だるさ
  • 倦怠感
  • 眠い
  • あくび
  • 便秘
  • 下痢
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 頭重感
  • ふらふらする
  • 発汗
  • 皮膚の変化(湿疹、吹き出物)
  • 目やに
  • 尿の色の変化
  • 身体の痛み、痺れ、発熱

など

揉み返しの原因は

強すぎる刺激

揉み返しの一因には強すぎる刺激による筋肉や組織の損傷があげられます。どんどん強い刺激を求めるようになる知覚鈍麻が原因となる場合もあります。圧の入り方により、痛みに感じる場合と重だるさに感じる場合があり、痛みに感じるような場合は揉み返しになるケースが比較的多いとされています。

筋肉の凝りすぎ

凝りすぎにより、血行が悪く柔軟性もない筋肉を急にほぐした場合に、少しの圧でも損傷する可能性があります。柔軟性がないと圧の刺激がダイレクトに伝わってしまうので損傷しやすくなります。

施術に慣れていない

初めて施術する人は揉み返しが起こりやすいといわれます。適度な圧のコントロールができずにほぐしすぎてしまう場合も考えられます。

老廃物の溜まり過ぎ

施術によって老廃物が一気に溢れ出すことで、倦怠感や熱、身体の重だるさが出ることがあります。

施術者の知識や技量不足

施術者の知識不足により、一人ひとりに合わせた適度な圧の見極めができない事が原因になるケースがあります。また、技量不足により、柔らかい筋繊維と硬い筋繊維の違いがわからず、闇雲にほぐして筋繊維を伸ばしてしまうケースも考えられます。

もし揉み返しになってしまったら

炎症部のアイシングがおすすめです。冷湿布や保冷剤などで患部を十分に冷やしてください。冷やし方としては薄い布で保冷剤を包んだり、破れにくいビニール袋に氷や水を入れるなど、痛みを感じる部分に5分から10分当てて下さい。朝、昼、晩の3回以上当てると効果的です。

また、炎症部を温めるのは避けてください。温めてしまうと、炎症を起こしている患部の血流も良くなり、より痛みが強くなってしまう事が考えられます。そのため入浴も避けた方が良いでしょう。

さらに、運動も患部を温めてしまう恐れがあります。ストレッチなども筋線維を伸ばしてしまい、損傷を悪化させるリスクがありますので、揉み返しかな?と思った時は無理せず運動を控えましょう。

飲酒は肝臓の働きがアルコール分解に集中してしまうので、筋肉の修復を妨げてしまう可能性があります。揉み返し時は飲酒を控えることをおすすめします。

最後に、食事の注意点をお伝えします。いつもより少し量を減らし、消化に時間のかかる肉や洋食は避け、消化に良い和食を中心に食べると良いでしょう。魚は火を通したものや煮たものの方が胃腸に優しいのでおすすめです

スマイルアンドサンキューグループでは

スマイルアンドサンキューグループの特徴

スマイルアンドサンキューグループでは国家資格を持つ柔道整復師が在籍し、施術を行っております。また、本記事に記載しました「揉み返し」が起こらないような施術法の習得にも取り組んでいます。揉み返しや好転反応を見極めるため、月に一度、顧問の整形外科医による指導や、実際の症例に関してスタッフ間で討議を実施。さらに技術向上を図る症例検討会なども毎月実施しています。

過去に揉み返しを経験し、施術を受けることに不安に感じている方にこそ、ぜひ当院の施術を経験していただければと思います。

まとめ

施術後の反応には身体に悪い反応を示す揉み返しと、身体に良い反応を示す好転反応の2種類が存在します。「揉み返しが起きてしまった!」と、焦る前に自身の症状は身体にとって良い反応なのか、悪い反応なのかを見極めることも重要なことです。まずは、炎症を抑えるためにアイシングなどを行い、様子を見つつ、もしご自身での判断が難しい場合は専門家に相談してみるも選択肢の一つであると考えます。

スマイルアンドサンキューグループには国家資格を持つ柔道整復師が常駐しています。揉み返しの不安はもちろん、お身体で不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。

よくある質問

揉み返しの時に気をつけるべき事はありますか?

 

痛いからといって同じ患部を何度も揉む、ほぐす、触る、温めるのは逆効果になる恐れがあるため、お控え下さい。

 

 

揉み返しによる痛みはどのくらい続くものですか?

個人差はありますが、1週間ほど続く方もいます。中には2週間ほど痛みが続いて悩まれている方もいました。反対に好転反応は3日ほどで収まるので、こちらを基準に相談いただくのが良いかと思います。

 

 

揉み返しを起こしたくないのですが、予防法などはありますか?

 

「揉み返しが起こりやすい」、「揉み返しで悩んだことがある」など事前に遠慮なくお申し付けください。患者様お一人おひとりにあわせて、圧の調整を行っていますが、事前に情報を共有いただけることで、可能な限り、揉み返しを抑えた施術が提供できます。

 

 

マッサージに行くと揉み返しになる確率が高く、身体に不調があっても足が遠のいてしまいます。

 

患者様お一人おひとりに合わせて圧の調節を行っていますので、安心してご来院ください。

何度も揉み返しにあってしまうという方は、圧の調整などが合わない施術所に通っている可能性があります。例えば、整体院やマッサージ店にて揉み返しになっているのではありませんか?整体院やマッサージ店では柔道整復師という国家資格を所持していなくても施術が可能です。

揉み返しを抑えるには筋肉と骨格の知識、そして確かな技術が必要です。柔道整復師は筋肉や骨格に関しての専門家であり、それを証明する国家資格を所持しています。何度も揉み返しに悩んだことがあるという方は、柔道整復師がいる整骨院にて、施術を受けていただくことをおすすめします。

記事協力(敬称略)
なかのぶスキップロード整骨院・鍼灸院
院長 黒澤 尚耶

【所有資格】
柔道整復師
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)