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マッサージに行った後、突然揉んでもらった箇所が痛くなったり、重だるくなったりした経験はありませんか?もしかすると、これらの症状は「揉み返し(もみかえし)」という症状かもしれません。名前は聞いたことがあるかもしれませんが、そもそも揉み返すとはどういう事なのか?など、不明な点が沢山あるかと思います。

実際に、「揉み返した事があり、不安で治療に行けない…」「揉み返しの痛みはどこに相談したらよいの?」「好転反応と揉み返しは別物?」など様々な質問をいただくことが多いようです。

この記事では、揉み返しが起きた際の対処法などについて、なかのぶスキップロード整骨院・鍼灸院黒澤尚耶 院長に揉み返しについて説明いただきました。

揉み返しってなに?

施術後の反応は2種類ある

まず「揉み返し」という言葉についてですが、身体にとって良い反応と悪い反応の2種類が存在します。

身体に悪い反応を示す揉み返しは押されたところが痛くなる場合があります。逆に身体に良い反応を示す好転反応は押されたところの近くが重だるい、身体全体がだるくなるなどの症状がでます。

揉み返しとは

揉み返しとは、上記でも記載したとおり、マッサージ後などにあらわれる身体に悪い反応のことを指します。

揉み返しが起こる原因は過度な刺激(押す力が強すぎる)や、無理な姿勢での施術によって、筋肉にある筋膜や筋線維が損傷し、炎症を起こしてしまうことです。ひどい場合だと内出血を起こすこともあります。結果的に筋肉が固くなり余計に筋緊張が強くなってしまい、これが痛みとなります。

具体的な症状は施術した箇所に痛みがある、施術した周辺の凝りがひどい、頭痛や吐き気がするなどです。症状が3日以上続くと揉み返し、3日未満の場合はおおよそ好転反応と考えられます。

好転反応とは

好転反応とは、身体が正常な状態へ戻る際に起こる一時的な反応と考えられています。血行が促進されることで、下記の4つの反応が起こるといわれます。

  • 弛緩反応

マッサージや整体を受けた時に筋肉がほぐれることで、縮まっていた筋肉に溜まっていた毒素や老廃物などが、循環することをいいます。

  • 過敏反応

治療したのにもかかわらず、治療箇所に痛みやかゆみ、炎症などが生じます。

  • 排泄反応

体に溜まった毒素や老廃物を体外に排出しようとする動きのことです。汗、尿、便、皮膚に反応が表れるといわれています。

  • 回復反応

血行不良が改善されることで起こるといわれています。うっ血(血液が止まっていた)によって、汚れていた血液が一時的に巡り初める時に表れます。

揉み返しと好転反応の違いとは?

揉み返しで表れる症状

揉み返しと好転反応の違いとしては、症状の持続期間が挙げられます。好転反応の場合は安静にして体を休めることで、2〜3日後にはすっきりとした状態に戻ります。一方で、揉み返しの場合は、筋肉繊維を傷つけてしまうため、痛みが3日以上続くこともあります。症状としては長期間の痛みや怠さ、患部の痛み、吐き気や頭痛などが出る方もいます。

好転反応で表れる症状

  • だるさ
  • 倦怠感
  • 眠い
  • あくび
  • 便秘
  • 下痢
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 頭痛
  • 頭重感
  • ふらふらする
  • 発汗
  • 皮膚の変化(湿疹、吹き出物)
  • 目やに
  • 尿の色の変化
  • 身体の痛み、痺れ、発熱

など

揉み返しの原因は

強すぎる刺激

揉み返しの一因には強すぎる刺激による筋肉や組織の損傷があげられます。どんどん強い刺激を求めるようになる知覚鈍麻が原因となる場合もあります。圧の入り方により、痛みに感じる場合と重だるさに感じる場合があり、痛みに感じるような場合は揉み返しになるケースが比較的多いとされています。

筋肉の凝りすぎ

凝りすぎにより、血行が悪く柔軟性もない筋肉を急にほぐした場合に、少しの圧でも損傷する可能性があります。柔軟性がないと圧の刺激がダイレクトに伝わってしまうので損傷しやすくなります。

施術に慣れていない

初めて施術する人は揉み返しが起こりやすいといわれます。適度な圧のコントロールができずにほぐしすぎてしまう場合も考えられます。

老廃物の溜まり過ぎ

施術によって老廃物が一気に溢れ出すことで、倦怠感や熱、身体の重だるさが出ることがあります。

施術者の知識や技量不足

施術者の知識不足により、一人ひとりに合わせた適度な圧の見極めができない事が原因になるケースがあります。また、技量不足により、柔らかい筋繊維と硬い筋繊維の違いがわからず、闇雲にほぐして筋繊維を伸ばしてしまうケースも考えられます。

もし揉み返しになってしまったら

炎症部のアイシングがおすすめです。冷湿布や保冷剤などで患部を十分に冷やしてください。冷やし方としては薄い布で保冷剤を包んだり、破れにくいビニール袋に氷や水を入れるなど、痛みを感じる部分に5分から10分当てて下さい。朝、昼、晩の3回以上当てると効果的です。

また、炎症部を温めるのは避けてください。温めてしまうと、炎症を起こしている患部の血流も良くなり、より痛みが強くなってしまう事が考えられます。そのため入浴も避けた方が良いでしょう。

さらに、運動も患部を温めてしまう恐れがあります。ストレッチなども筋線維を伸ばしてしまい、損傷を悪化させるリスクがありますので、揉み返しかな?と思った時は無理せず運動を控えましょう。

飲酒は肝臓の働きがアルコール分解に集中してしまうので、筋肉の修復を妨げてしまう可能性があります。揉み返し時は飲酒を控えることをおすすめします。

最後に、食事の注意点をお伝えします。いつもより少し量を減らし、消化に時間のかかる肉や洋食は避け、消化に良い和食を中心に食べると良いでしょう。魚は火を通したものや煮たものの方が胃腸に優しいのでおすすめです

スマイルアンドサンキューグループでは

スマイルアンドサンキューグループの特徴

スマイルアンドサンキューグループでは国家資格を持つ柔道整復師が在籍し、施術を行っております。また、本記事に記載しました「揉み返し」が起こらないような施術法の習得にも取り組んでいます。揉み返しや好転反応を見極めるため、月に一度、顧問の整形外科医による指導や、実際の症例に関してスタッフ間で討議を実施。さらに技術向上を図る症例検討会なども毎月実施しています。

過去に揉み返しを経験し、施術を受けることに不安に感じている方にこそ、ぜひ当院の施術を経験していただければと思います。

まとめ

施術後の反応には身体に悪い反応を示す揉み返しと、身体に良い反応を示す好転反応の2種類が存在します。「揉み返しが起きてしまった!」と、焦る前に自身の症状は身体にとって良い反応なのか、悪い反応なのかを見極めることも重要なことです。まずは、炎症を抑えるためにアイシングなどを行い、様子を見つつ、もしご自身での判断が難しい場合は専門家に相談してみるも選択肢の一つであると考えます。

スマイルアンドサンキューグループには国家資格を持つ柔道整復師が常駐しています。揉み返しの不安はもちろん、お身体で不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。

よくある質問

揉み返しの時に気をつけるべき事はありますか?

 

痛いからといって同じ患部を何度も揉む、ほぐす、触る、温めるのは逆効果になる恐れがあるため、お控え下さい。

 

 

揉み返しによる痛みはどのくらい続くものですか?

個人差はありますが、1週間ほど続く方もいます。中には2週間ほど痛みが続いて悩まれている方もいました。反対に好転反応は3日ほどで収まるので、こちらを基準に相談いただくのが良いかと思います。

 

 

揉み返しを起こしたくないのですが、予防法などはありますか?

 

「揉み返しが起こりやすい」、「揉み返しで悩んだことがある」など事前に遠慮なくお申し付けください。患者様お一人おひとりにあわせて、圧の調整を行っていますが、事前に情報を共有いただけることで、可能な限り、揉み返しを抑えた施術が提供できます。

 

 

マッサージに行くと揉み返しになる確率が高く、身体に不調があっても足が遠のいてしまいます。

 

患者様お一人おひとりに合わせて圧の調節を行っていますので、安心してご来院ください。

何度も揉み返しにあってしまうという方は、圧の調整などが合わない施術所に通っている可能性があります。例えば、整体院やマッサージ店にて揉み返しになっているのではありませんか?整体院やマッサージ店では柔道整復師という国家資格を所持していなくても施術が可能です。

揉み返しを抑えるには筋肉と骨格の知識、そして確かな技術が必要です。柔道整復師は筋肉や骨格に関しての専門家であり、それを証明する国家資格を所持しています。何度も揉み返しに悩んだことがあるという方は、柔道整復師がいる整骨院にて、施術を受けていただくことをおすすめします。

記事協力(敬称略)
なかのぶスキップロード整骨院・鍼灸院
院長 黒澤 尚耶

【所有資格】
柔道整復師
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

皆さんは肩関節周囲炎をご存知でしょうか?いわゆる「五十肩あるいは四十肩」と呼ばれるものです。

肩の悩みの大半がこの「五十肩」で、50歳頃に多発します。ひどくなってくると肩の痛みで生活に支障が出ることもあります。さらにそのまま放置してしまうと、年々痛みは激しくなり、肩が上がらなくなるという悪循環に…。こうならないためにも肩関節周囲炎とは何なのか?を正しい知ることが大切です。

今回はスマイルアンドサンキューグループ「阿佐ヶ谷すまさん整骨院」の今井院長に肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)について、また肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)になってしまった際の対処法もご紹介いただきました。

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)とは?

どんな病気なのか?

肩関節は身体の中でも動く範囲が広いという特徴があります。肩甲骨と上腕骨で構成される肩関節以外に、筋肉や腱、靭帯、関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包み込む袋(関節包)などの軟部組織から構成されています。

肩関節周囲炎とは肩の関節が痛み、動きが悪くなる病気で、突然激しい痛みを感じます。中高年以降、特に50歳代の患者が多いことから、「四十肩」や「五十肩」と呼ばれることもあります。多くの場合、衣服を着る時や脱ぐ時、棚の上のものを取ろうとして腕を上げたりする時に痛みが出ます。日常生活の動作で激しい痛みを感じる運動痛や、夜中にひどい痛みで眠れなくなる夜間痛があります。

特にゴルフなどの運動や大掃除などの後に生じることも多い疾患です。その後、炎症が軽減するのにともない痛みも軽減しますが、炎症がひどいと肩の関節とその周辺の組織が拘縮(こうしゅく)して関節の動きが悪くなり(凍結肩)、長期間肩が上がらなくなります。

肩関節周囲炎は徐々に痛みが軽減することがよくあり、自然治癒すると思われがちですが、実際には、痛みや拘縮(可動域制限)が強く、症状が慢性化する例も多くみられます。右肩がなった後に左肩もなってしまうといったケースもあるので、早期の診断・治療が必要となります。

肩関節周囲炎の原因とは?

主な原因は、加齢によって肩の関節を構成する骨や軟骨、腱や靭帯、筋肉などの組織に炎症が生じてしまうことです。発症する肩は利き腕とは関係がなく、両方の肩が同時に発症することは、ほぼありません。

しかし、片方の肩の痛みが軽減した後に、反対側の肩が痛くなるケースもよくみられます。運動不足の人にも起こりますが、運動後に生じることも珍しくはありませんので、「運動をしているから大丈夫」とは言えない疾患です。

ちなみに、関節が変形していたり、軟骨がすり減っていたりするなど、肩の関節組織の一つが原因の場合には肩関節周囲炎(五十肩)とは別の疾患として区別されます。

肩関節周囲炎の症状とは?

肩関節周囲炎(五十肩)の症状は人によってさまざまですが、服を着たり脱いだりするときに痛くて腕が上がらない、痛くて背中に手が回せないなど腕を動かすときに痛みを感じる運動痛と、夜になるとズキズキと肩が痛んで眠れないほどの痛みが出る夜間痛があります。これらは多くの患者が感じる症状です。

炎症が起こっている時期は痛みが強いため、治療は痛みを抑えることが中心になります。炎症が治ると痛みも弱まりますが、肩を動かさないことで、血行が悪くなり、肩の関節や組織が硬くなって動かしづらくなるため、この状態を改善するための治療が必要となります。

肩関節周囲炎になったら…

ここでは当院での治療をご紹介していきましょう。肩関節周囲炎を3つの病期に分けて説明します。

炎症期

関節周囲に強い炎症が起こる時期で、肩の痛みが筋肉の痙攣を引き起こし、さらに痛みを増加させます。安静時痛や夜間痛が顕著に出現し、可動域制限もあるため、無理に動かそうとすると激痛が走ることもあります。ここで無理に動かそうとすると余計悪化してしまう可能性が​ありますので、痛みが強いこの時期は筋肉を極力動かさず、安静にしながら治療をすすめます。

治療はまず、患部のアイシングを行います。保冷剤のようなアイシングキットで患部を冷却することによって、関節の中の炎症を素早く取り除くことができ、その後の治療がスムーズになります。冷湿布ではアイシングになりませんので、注意が必要です。約10分〜15分程度アイシングを行い、患部周辺の筋肉の緊張を緩和して、必要であれば、テーピング療法でサポートします。

 

拘縮期

この時期では徐々に肩の関節が動き始め、肩を動かした時の痛みは多少やわらぎますが、肩が硬く固まってしまい、動かせる範囲が制限されますので、関節可動域訓練を行います。この訓練では痛みが強くならない範囲で動かすことが大切で、日常生活でも無理せず、動かせる範囲で動かしていくようにします。

当院では、「プロトコル」という手技にて徐々に関節の動きを出していき、同時に不安定な筋肉の再教育も行います。状態に合わせてハイボルト(高電圧電気刺激療法)を使用し、肩の関節の安定性に関与するインナーマッスルを一時的に活性化させて疼痛も抑えていきます。それに加え、ご自宅でもできる簡単なエクササイズをご指導させていただきます。また鍼治療も痛みの軽減や、肩の関節可動域の改善に良い治療法です。患者さんの状態に合わせて提案させていただきます。

解凍期

この時期になると肩を動かせる範囲が増え、日常での支障はほぼ無くなっていますが、肩を動かそうとするとゴリゴリ感が出てくることもあります。筋肉は硬いままの状態なので、徹底的にリハビリを行って、いち早く関節の柔軟性を取り戻す必要があります。炎症期とは違い血流を促進させることも大切なので、肩を冷やさないように気をつけましょう。

当院では、プロトコルによる関節可動域獲得訓練をメインに「3D EMS」といった高周波で患部の筋肉を鍛えていき、さらには体の歪みを「矯正」で整えていきます。もし体の骨格の歪みが強く、肩に負担がかかる状態になっていたら、患部のみを治しても肩の負担は取れていないといえます。再発の危険性も高く、大きな負担をかけてしまうことで、反対の肩も肩関節周囲炎になりかねません。当院では患部を治すだけではなく、再発しないための予防的治療も提供させていただいております。

肩関節周囲炎にならないための予防法

肩関節は、他の関節と比べて大きく自由に動かせる関節ですが、その分大きな負担を強いられる関節でもあります。肩関節、肩甲骨の周りには多くの筋肉があり、自由な動きを作り出しています。しかし、どれか一つの筋肉がうまく動かなかったり、柔軟性が低下したりすると、他の筋肉がその代わりに働くことになり、負担が大きくなってしまいます。

また、肩は、肩甲骨に伴って動きます。腕を90度横に上げるとき、その1/3は肩甲骨が担うと言われていますが、肩甲骨周囲にある筋肉の柔軟性が低下すると、動きが制限され、その分を肩甲骨が負担することになってしまいます。常に肩甲骨の動きをよくするストレッチングや運動、入浴の時には肩まで浸かって血行を促進させるように心がけることが大切です。また、運動などで酷使した後はアイシングなどで肩周囲の筋肉の柔軟性を高め、必要であれば肩の関節を安定させるトレーニングを行うことが重要です。

さらに食事では、筋肉の材料となるタンパク質を積極的に摂って筋肉を強化し、関節の安定に関わる腱をビタミンCで強化することも予防になります。

スマイルアンドサンキューグループでは

スマイルアンドサンキューの特徴

我々の整骨院では、患治と根治を目指した治療をご提供させていただいております。

まず問診にて患者さんのお悩みを細かくお聞きして、なぜ肩が痛くなってしまったのか原因を探り出し、どうすればいち早く肩が治るのかを導き出し、治療のゴールを立てていきます。ベッドサイドでは正確な理学検査によって、より深く原因を追求していき、治療方針を立てていきます。

当グループには柔道整復師や鍼灸師といった国家資格を持つスタッフが常駐しておりますので、安心・安全で確かな施術をご提供させていただいております。また平日は20時まで、土日祝日は18時まで診療しており、予約も不要ですので、気兼ねなく治療を受けていただけることも特徴です。

まとめ

肩関節周囲炎はいわゆる「五十肩」や「四十肩」と呼ばれ50歳頃に発症します。身体を動かすときに痛みを感じる運動痛と、夜になると眠れないほどの痛みが出る夜間痛があります。自然治癒するものと思われがちですが、慢性化することも多く、右肩がなった後に左肩もなってしまうといったケースもあるので、早期の診断・治療が必要です。

スマイルアンドサンキューの整骨院では、患治(患部の痛みを取り)と根治(根本から治す)を目指した治療を提供しております。柔道整復師や鍼灸師といった国家資格を持つスタッフが常駐しておりますので安心してお越しください。

よくあるご質問

 

五十肩はどんな病気ですか?

正式名称を「肩関節周囲炎」と呼びます。または「凍結肩」とも呼ばれます。肩の関節には袋(関節包)があり、この袋に炎症が起きてしまうことで痛みが出ます。さらに炎症によって袋が固くなり、肩が極端に動きにくくなってしまうのが特徴です。

 

五十肩は再発しますか?反対の肩もなりますか?

 

 

一度治れば、同じ肩に再発することは稀です。しかし、反対の肩が五十肩になるのは珍しくはありません。五十肩をかばうために反対の肩を酷使した結果、そちらも五十肩になるというケースが多くみられます。

また、糖尿病のある方は五十肩になりやすく、また一度かかると治りにくいことが知られています。

 

 

 

五十肩は放っておけば治るって聞いたけど?

 

 

五十肩は、ある程度の期間は痛みが続き、最終的には(治療をしてもしなくても)痛みが治まるという特徴があります。

しかし、一言で「五十肩」と言っても軽症から重症まで幅があり、痛みが治まった後に肩が思うように動かなくなるケースもあります

痛みの期間には個人差があり、重症であればあるほど痛みが長く続く傾向があります。軽症の場合は数週間から数ヶ月で痛みはおさまりますが、重症の場合は(適切な治療を受けなければ)最低でも一年は痛みが続いてしまいます。

 

海外の研究では、重症場合や不適切な運動によってさらに悪化した場合、3年経過後にも4割近くの患者さんに痛みが残っていることが報告されています。腕が上がらない、肩が動かせないといった動きの制限が強い人ほど重症であるといえます。

 

重症かもしれない?と思った方や、いつまでも治らない、という方は

ぜひ早期に受診し、適切な治療を受けることが大切です。

 

 

 

どれくらいの期間で治るの?

 

 

個人差はありますが、最低でも半年、長ければ一年以上かかります。しかし、先述したの3つの病期で適切な治療ができれば、回復を早めることができます。

 

まず炎症期では関節内や周囲に炎症が起きていることが多いため、この時期に無理に肩の関節を動かしてしまうと、その後の回復が遅れてしまいます。基本は安静にして、痛いところをアイシングすると効果的です。

 

拘縮期では少しずつ肩が動くようになってくるので、可動域を増やすトレーニングを始めます。焦って無理に動かしすぎると、すぐに炎症を起こし、強い痛みが出ることがあるので、オーバートレーニングに注意しましょう。

 

解凍期では日常生活に支障が出なくなるほど動きが回復しますが、筋肉は硬いままのことがあるので、体操やストレッチングで、肩関節周辺の血流促進を行います。これらをふまえて早期に身体の状態にあった治療を行うことが大切です。

 

 

痛くても、たくさん動かした方がいい?

 

 

「五十肩になると、肩が動かなくなってしまうのでは?」と心配して、痛いのに無理をして動かす方がよくいます。

 

しかし、安静時痛や夜間痛の出やすい炎症期に無理をすると、炎症がひどくなり、治りにくくなってしまうので、安静にして、患部のアイシングなどを行うのが基本です。

 

治療や自然経過で炎症期が過ぎれば痛みは徐々に落ち着いてきます。このタイミングで動かしていくのが最も早く治るコツでもあります。

 

患部を動かして良いのか、悪いのか迷ったときには、自分自身で判断せずに早めに療法士に相談することが大切です。

 

記事協力(敬称略)
阿佐ヶ谷すまさん整骨院・鍼灸院
院長 今井 厚

【所有資格】
鍼灸師
NSCA-CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
健康運動実践指導者
東京都介護予防運動指導員
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

はじめに

整骨院に行ってみたいけれど「どんな治療や診療をしてくれるの?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか?また、保険や自費での治療・診療など、複雑そうな仕組みも、足が遠のいてしまう一因かもしれません。今回は整骨院で受けられる治療や診療の他、保険を使った診療と自費での診療の違いについて詳しく説明します

整骨院で受けられる治療と診療

整骨院で受けられる保険の治療は「怪我の治療」です。ここで言う「怪我」とは、外傷性の打撲・捻挫・および挫傷(肉離れなど)・骨折・脱臼であり、「怪我の治療」には以下のような治療があります。

  • 肉離れをした筋肉や,傷めた靭帯の固定を行います。
  • 痛みを緩和する目的で低周波(3~50㎐)の弱い周波数の電気治療を行います。
  • 急性期の痛み、傷めてすぐの組織は炎症を起こして熱を持つのでアイシングを行います。
  • 痛めた組織は治る過程で組織が硬くなるので、温熱療法で組織に柔軟性を出していきます。
  • 硬くなった組織のリハビリを目的としたマッサージを行います。

整骨院の保険外の治療は痛みを取ることを目的とした治療以外にも、筋力強化や自律神経の調整などの様々な治療があります。

  • 姿勢矯正は猫背やストレスネックといった姿勢の不良を矯正することで、肩こりや頭痛など慢性症状の改善が期待できます。
  • 産後の骨盤矯正や腰痛、股関節痛、膝痛を引き起こす骨盤の歪みを矯正することができます。
  • 高電圧を用いた電気治療があります。神経の促通効果、痛みの抑制、筋力へのストレッチ効果があり、急性のぎっくり腰、寝違え、捻挫、肉離れ、神経痛に効果があります。
  • 普段は鍛えることができないといわれているインナーマッスルだけを狙ったEMSトレーニングができます。ダイエットをしている方や痛みを繰り返してしまう方に効果があります。
  • 背骨(脊椎)に特殊な周波数の電気を流して、自律神経の調整が出来ます。不眠症。ストレス、うつ病、パニック障害に効果があります。

保険を使った診療とは

整骨院で保険が使える条件は、急性または亜急性(同じ箇所に負担が頻回にかかること)の外傷性の打撲、捻挫、肉離れに対する治療、または骨折、脱臼の応急処置に限られます。ご自身の症状に保険が使えるかどうかは、整骨院までお気軽にお問い合わせください。

保険を使うメリットとデメリット

メリットは、健康保険組合が7割負担してくれるので、金銭的な負担が3割で済みます。デメリットは、保険でできる範囲は最低限の治療ということです。損傷の程度や期間によっては、痛みや辛さが回復するまでに満足な治療を受けられない可能性があります。結果として症状が長引いてしまうこともあります。

保険を使う際に気を付けたいことやルール

整骨院では受領委任払い制度によって健康保険を使用することができます。これは、患者様(受療者)が柔道整復師に委任をし、患者本人に代わって治療費(医療費ではなく、療養費)を保険組合に請求して支払いを受ける制度です。そのため、整骨院で保険を使用する際は、患者様から同意を得た証として署名を頂くことで、保険が使用できます。 

自費での診療とは?

自費診療のメリットとデメリット

メリットは、保険外の診療を受けることができるので、より効果が高く、より短期間での改善が期待できることです。さらに、痛みの緩和だけでなく、予防やメンテナンスなどで健康状態を維持することができます。

デメリットは、保険のみの診療と比べると1回の治療費が高くなるケースがあることです。しかしながら、早期回復が見込めるので、結果として総額負担は保険診療と比べて大差ないこともあります。

自費診療の際に気を付けることやルール

国家資格を有する柔道整復師が行うので、安心・安全な施術を受けることが出来ます。一方、民間資格である整体師が行う施術は、保険が適用されず自費治療のみであり、共通した教育体制も整っていません。整体施術を受けられる際は、しっかりとした選択眼による慎重な施術院選びが重要であると思います。 

まとめ

整骨院は国家資格を有するスペシャリストが身体の怪我や痛みの処置をする場です。保険・保険外の治療が受けられます。スポーツでの肉離れや捻挫、ぎっくり腰や寝違えといった怪我から神経痛、五十肩・四十肩、変形性膝関節症、ヘルニア、頚椎症といった治りにくい身体の辛さにも対応しています。整形外科でレントゲンを撮影しても原因が分からない痛みや、長年続いている身体の不調といったことなども改善が期待できます。まずはご自身の症状が整骨院で改善するのかどうか、お気軽に相談いただければと思います。

記事協力(敬称略)
スマイルアンドサンキュー株式会社 
治療院事業部 副部長
柔道整復師 渡邊 大地
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

 

はじめに

都内で鍼灸・整体院を17店舗運営するスマイルアンドサンキューグループ。どのような特長を持つ鍼灸・整骨院なのか?CuraCare編集部が三茶しゃれなあど整骨院の若狭院長に根掘り葉掘り聞きました。

Q1:院の運営において、最も意識されていることは?

A:当院では「笑顔」を大事にしています。スタッフの対応はもちろん、患者様が「笑顔」で院を出られるよう、常に全力で治療させて頂いております。そして、「元気・活気・笑顔」をモットーに、初めての方でも入りやすい開放的な雰囲気を心がけております。明るく元気なスタッフが丁寧に対応させて頂きますので、症状やお悩みに関して、心配な事、不安な点があれば、気軽にご相談ください。

Q2:スマイルアンドサンキューの整骨院はどのような施術を行っているのですか?

A:一番の特徴は「オーダーメイド治療」です。疾患・症状という意味では、基本となる治療はありますが、100人の患者様がいれば、そこには100通りの人生があり、様々なバックボーンがあります。当院では、患者様のお話をしっかりと伺い、その方の目指すゴールまで導きます。もっといえば、ご本人様のまだ見ぬ先のゴールまで見据えています。

治療は、学術的にしっかりと理論づけられた「エビデンスのある治療」です。また、その方に合った、もしくはその方だけの治療内容や治療計画もご提案しています。痛みの原因や根拠、治療の内容をご理解頂けるまでしっかりとご説明します。

痛みを早く治したい、昔からの痛みを取りたい、原因がわからないけどとにかく辛い…など、お身体について気になる事があれば、まずはご相談ください。

整骨院がどのようなところなのかは、この記事内で後ほど詳しく説明しております。

Q3:「〇〇な治療を行ってほしい」などの要望がある際は、お伝えしてもよいですか?また、要望通りの施術を行って頂けますか?

A:ご要望はしっかりと伺います。ただ、皆様のお身体を治していくうえで、同時に行った方が良い治療など、ご希望とは別の治療をご案内する事もございます。もちろんその際には、きちんとご説明させて頂きますので、不明点などあれば、遠慮なくお申し付けください。しっかり話し合うことで、それまで思ってもみなかった効果の高い治療と出会えることもあります。

Q4:治療の流れを教えてください。

A:初回はお身体の事、お悩みの症状などを問診でしっかりと伺い、検査で確認した上で施術を行います。特殊治療などを行う際には、それがどんなものなのか、どんな効果が期待されるかなど、細かくご説明しています。また、症状の経過や見込み、日常生活での注点、ご自身で行える処置や運動などもお伝えします。治療ペースや来院予定なども含め、不明点や気になることがあれば遠慮なくお申し付けください。

Q5:整骨院の施術は痛いイメージがあります…

A:筋肉や関節、神経の状態が悪い場所へアプローチする際は、少し強い刺激となる場合がありますが、耐えられないような痛みを伴う事はありません。もし不安があるようでしたら、事前にお話頂ければ、出来る限り考慮して治療させて頂きます。一番大事なことは、患者様が安心して治療を受けられる事と考えています。

Q6.治療完了まで、何回くらい通院すればよいでしょうか?

A.症状にもよりますが、まず「患治」と言われる、痛みを取り切る段階までで3~5回。根本治療として痛みの原因を改善して、繰り返し痛みが起こらないようにする「根治」の段階で5回程度と説明させて頂く事が多いです。その方のお身体の状態や目指すゴールにより、少しお時間がかかるケースもあります。

Q7.産後の骨盤矯正は受けられますか?

A.お受けいたします。自然分娩であれば1ヶ月程、帝王切開の場合は3ヶ月程が目安です。個人差もありますので、担当されたお医者様とも相談しつつ対応をさせて頂きます。詳しくはスタッフまでお申し付けください。

Q.8子供連れ、ベビーカーでも大丈夫?

もちろん大丈夫です!ベビーカーはベッド脇まで入れますので、お子様の様子を見て頂きながら治療できます。また、治療中はスタッフがお子様の様子を見させて頂くことも可能ですので、遠慮なくお申し付けください。

まとめ

スマイルアンドサンキューグループは患者の健康と笑顔のために、一人ひとりと全力で向きあい、安心して身体を任せられる環境づくりに注力しているようです。また、体の不調を改善することに注力しているという点も印象的です。「これまでどこに行っても治らなかった…」「慢性のものとあきらめている…」。こんなお悩みのある方は、スマイルアンドサンキューが運営する整骨院を選択肢のひとつとすると良いかもしれませんね。

CureCare編集部では今後も皆様の健康に役立つ情報を発信していきたいと思っています。

記事協力(敬称略)
三茶しゃれなあど整骨院・鍼灸院 院長
若狹 和人 

はじめに

突然ですが、整骨院という言葉を聞いて、どんなことをしてくれる場所なのか、想像できますか?マッサージ、整体などの言葉は耳にするので、どのような事をしてくれるのか想像できるかもしれません。しかし、整骨院と聞いて、整体院やマッサージ店と何が違うのか?を答えられる方は少ないと思います。今回は、整骨院はどのようなところで、どのような施術を行うのか?整体院やマッサージ店とは何が違うのか?を詳しく解説していきます。

整骨院とは?何ができるところなのか?

整骨院(接骨院)は古くは「ほねつぎ」などと呼ばれ、「柔道整復師」という国家資格取得者が施術を行う場所です。柔道整復とは、柔術の「殺法」「活法」から派生した、日本固有の伝統医療・伝承医療。現在は、解剖学・生理学・運動学・整形外科学・臨床医学など様々な根拠をもとに教育・学問体系を構築し、治療を行っています。いわば柔道整復師とは「怪我の治療のスペシャリスト」と言えるのです。

骨折や捻挫、脱臼、挫傷、打撲など急性の症状であれば、保険会社へ療養費の申請を行い、健康保険を利用して治療を行います。また、該当しない治療に関しては、自費診療にて対応をしている治療院もあります。つまり整骨院では、怪我の発生から治癒、さらにアフターケアやパフォーマンスの向上、怪我の予防まで、幅広い範囲での対応が可能です。

当社の整骨院では、骨折や脱臼、捻挫の応急処置(整復)など、怪我の治療を行った後も、後療としてストレッチや運動療法、日常生指指導や自然治癒力の向上、怪我の再発予防を目的とした治療を行います。スポーツなどでの急な怪我はもちろん、慢性的なコリやハリ、原因が分からずずっと気になっている症状など、身体について心配な点があれば、一度来院してみてください。さらに、交通事故や労働災害(労災)による怪我の治療も可能です。また必要であれば病院など専門の医療機関への紹介もさせて頂きます。地域の相談窓口としてお気軽にご利用頂ければと思います。

整骨院によっては、鍼灸院を併設している院や、統合医療として鍼灸治療の併用が可能な院も多くあります。鍼灸治療では筋肉へのアプローチだけでなく、神経痛やツボ・経絡を使った内臓諸器官や自律神経の調節を目的とした治療が受けられます。

整骨院と整体院、マッサージ店の違いは?

整体院は、主に骨格のずれや筋肉のハリなどに対して、独自の手技療法を用いて身体全体のバランスを整える施術をしています。施術する「整体師」は柔道整復師や鍼灸師(はり師きゅう師)のような国家資格ではありませんので、基本となる手技の形が決まっておらず、院によって受けられる施術が異なります。自分の悩みや好みに合った施術を受けられる可能性は高くなりますが、施術者の技術の差が大きいと言えます。さらに、施術者によっては、知識不足であったり、根拠のない施術を行う可能性もあります。また、保険の適用はできません。

マッサージを受けられる場所としてはリラクゼーションや整体、エステやもみほぐしなど、様々な施術所があります。ただし、マッサージ店に関しても注意が必要です。本来マッサージとは、「あん摩マッサージ指圧師」という国家試験に合格した有資格者が運営する施術所で行われます。そのため、エステやリラクゼーションを目的としたサロンで行われるのは「マッサージ」ではなく、「もみほぐし」とされています。法律上明確な定義はなされておらず、必ずしも「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者が施術しているとは限らないケースもあります。もし「マッサージ」を受けたいと思った際には、「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者が在籍しているのかどうかを確認してから施術を受けるようにしましょうご自身の症状や目的に合った施術方法なのかも調べてから通うようにしてください!

不調を感じた時は、どこに行くべき?

軽い疲労やコリなど、リラクゼーションが目的であれば、マッサージや整体での自費診療でも良いかと思います。しかし、もし「痛み」や「痺れ」など症状がはっきりと表れている場合には、国家資格者のいる「整骨院」や「鍼灸院」「マッサージ院」などで、相談した方が良いでしょう。

保険診療と合わせて、根本治療を並行する整骨院などもあります。必要な場合には、適切な病院や受診すべき診療科を教えてくれたり、紹介状を書いてくれたりします。また、地域の相談窓口として診療している整骨院があれば、判断に迷った場合にも、心強い味方になってくれると思います。

まとめ

接骨院と整体院の一番の違いは、「保険診療」が可能か否かということになります。最近では、柔道整復師や鍼灸師といった国家資格の有資格者が整体院を開業していることも多くありますが、登録が「整体院」の場合には、保険の適応はされません。また、整骨院でも保険診療にはルールがあり、適応されないケースもありますので、心配なことがあれば、まずは相談してみることをおすすめします。

繰り返しになりますが、整骨院では怪我や辛い症状の治療をはじめ、根本治療、健康維持や病気予防、パフォーマンス向上の指導まで、行ってくれる院が多くあります。高い技術を持つ先生も数多くいらっしゃいますので、目的や希望の手技、施術方法をよく調べてから、施術先を決めるようにしましょう。

記事協力(敬称略)
三茶しゃれなあど整骨院・鍼灸院 院長
若狹 和人 
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

はじめに

突然ですが、鍼灸施術という言葉を聞いたことがありますか?おそらく知らない人も多いのではないでしょうか。鍼灸施術とは、どのような施術を行い、どのようなことに効果的なのか?柔道整復師であり、鍼灸師でもある「東中野すまさん整骨院」の小島院長に詳しく解説してもらいました。

東中野すまさん整骨院 小島院長

鍼灸とは

鍼灸施術とは、鍼や灸を用いて、主に「ツボ」と呼ばれる経穴に物理的な刺激を与えることによって起こる身体の反応を利用するもの。病気や症状の原因となる生体機能の変調を正して治療(キュア Cure)し、身体を癒し(ケア Care)て、疾病予防も行う施術法です。近年では多くの医療関係者が鍼灸に注目し、そのメカニズムについての研究も進められ、科学的根拠のある治療法としてWHO(世界保健機構)にも認められています。

鍼とは

鍼治療は通常、直径0.12mm~0.18mmのステンレス製ディスポーザブル鍼を使います。この鍼は注射針と同じく使い捨ての鍼で、一人の患者さんにのみ使用することで、感染を防止しています。さらに、日本では、江戸時代に開発された「管鍼法」という筒を用いた施術法が一般的であり、痛みをほとんど感じることなく刺入が可能です。 

灸とは

灸治療とは、ヨモギの葉を乾燥させて葉の裏側の部分だけを集めた艾(もぐさ)を用いて熱刺激を与える施術法です。灸の刺激方法には皮膚上で直接艾を燃焼させる「直接灸」や、皮膚と艾の間に介在物を置いて艾を燃焼させる「間接灸」があります。間接灸はショウガやニンニク等を薄くスライスしたものの上で艾を燃焼させることで、薬効成分を皮膚に浸透させるとともに、火傷のような熱さを感じることもなく施術できます。市販のお灸の多くは、糊の付いた台座に円筒形の艾がのった台座灸で、これもまた間接灸の一種です。

鍼灸に関するよくある質問

小島院長に鍼灸に関する、よくある質問について教えてもらいました。

Q.鍼治療は痛いですか?

A.使用する鍼は0.12mm~0.18mmと、髪の毛と同じくらいの太さです。採血の注射器の太さが0.60〜0.80mm、接種時の痛みがほとんどないワクチン接種の針で0.33〜0.40mmですから、かなり細い鍼になります。また、注射針は組織を切開するために先端が刃のように斜めにカットされていますが、鍼治療の鍼は先端が丸みを帯びているため痛みを感じにくく、組織へのダメージも限りなく少なくなっています。

Q.鍼治療は安全ですか?

A.鍼は一本一本滅菌処理された使い捨ての鍼、鍼を乗せる鍼皿も滅菌処理された使い捨てのトレーを使用しています。手術時も刺入する手指と、治療部位への消毒により感染リスクはないとされています。このように感染防止対策は万全ですので、安全に鍼治療を受けていただけます。

Q.お灸は熱くないですか?

A.台座灸を使うことで心地よい温かさを感じながら治療を受けて頂けます。灸治療は必ずしも熱ければ効果が高いという訳ではありません。熱いと感じたら我慢せずに伝えていただければ、すぐに灸を除去しますのでご安心ください。

■鍼灸施術で期待できる効果

鍼灸治療は様々な効果があるといわれています。特に下記のような効果があります。

  1. 身体機能を調節する:機能低下している状態を活性化させる作用や、痛みなどの身体の機能が異常に亢進している状態を抑制させる作用が期待されます。
  2. 血行改善:肩こりなど血流が滞っている患部や症状と関連する部位への施術で、血行の改善が期待されます。
  3. 免疫力向上:細菌やウイルスなどが体内に侵入した際に身体を防御するのが白血球やリンパ球などの免疫細胞です。鍼灸施術により白血球の数を増やしたり、免疫細胞を活性化させたりすることにより、免疫力が向上し、病気の治療とともに病気になりにくい体質への改善が期待されます。
  4. 美容:鍼灸施術により新陳代謝を活発にして皮膚の機能改善をはかったり、顔面への刺激で表情筋を引き締めてリフトアップしたりする効果が期待されます。

また、上記でも記載しましたが、WHO(世界保健機関)が提唱した鍼灸の適応症が以下の項目です。

【神経系疾患】

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

【運動器系疾患】

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

【循環器系疾患】

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

【呼吸器系疾患】

気管支炎・喘息・風邪および予防

【消化器系疾患】

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

【代謝内分秘系疾患】

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

【生殖、泌尿器系疾患】

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

【婦人科系疾患】

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患】

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

【眼科系疾患】

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

【小児科疾患】

小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

上記疾患のうち「神経痛・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腰痛」の慢性症状について、鍼灸の健康保険の適用が認められています。

(鍼灸netより)

手技治療と鍼灸施術の違いとは?

手技治療にはあん摩、マッサージ、指圧などがあります。主に身体に手指を用いて刺激を与える(押す、さする、揉む、叩く、引っ張るなど)ことで、身体に反応が起こり症状改善や健康を増進させます。特に期待できる効果としては血液循環を改善し、新陳代謝を促進させることです。さらに、心地よい強さで押すことでストレスを解消するリラクゼーション効果も期待できます。

鍼灸治療は、手技ではほぐすことができない頑固なコリや深部の筋肉に効果的です。鍼や灸を行うことで血行改善による免疫機能の活性化を促し、自然治癒力を高める事が出来ます。手技治療と組み合わせると、より健康的な身体を目指すことができます

鍼灸施術はどのようなところで受けられますか?

鍼灸施術をするには「はり師」「きゅう師」という国家資格が必要になります。鍼灸院、整骨院、鍼灸を取り入れている美容サロンなど、鍼灸師が働いているところで受けられます。全日本鍼灸学会の「鍼灸安全対策ガイドライン」に沿って施術しておりますのでご安心ください。

どんな方に鍼灸施術を受けてほしいですか?

肩こりや腰痛、美容など。最近ではテレワークによる疲労が蓄積された方も多いのではないでしょうか。とにかくお悩みを持つ方全員に受けてほしいと思います。西洋医学とは異なるアプローチをしているので、鍼灸で改善することもあります。ただし、ステロイドを内服している方、免疫抑制状態の方、肝硬変の方、ワーファリンを服用中の方などはリスクが高いので注意が必要です。

まとめ

西洋医学が症状の原因にアプローチするのに対し、鍼灸治療をはじめとした東洋医学は、身体全体のバランスが崩れる事で病気になり、そのバランスを整えることで「自然治癒力」を高めて病気を治すという考え方です。つまり鍼灸治療は病気になる前の「未病」の時点で症状が改善するので、病気予防や健康維持に役立つとのことでした。症状にお悩みの方、鍼灸治療に興味がある方は、一度鍼灸治療を受けてみましょう。

記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

はじめまして、CureCare編集部です。このたび痛みや不調の治療から予防法までを届けるメディア「CureCare」をオープンすることになりました。当メディアでは読者の皆様が健康になることを目的とし、身体の不調に関して、治療・改善から予防方法までを詳しく・分かりやすく解説していきます。本記事では、なぜ当メディアを立ち上げたのか?などについて紹介させていただきます。

なぜ「CureCare」を立ち上げたのか?

加齢に伴い、腰痛や肩こりなど、日常生活の中で身体の不調を感じることが多くなると思います。そんな時に皆さんはどのように対処していますか?
まずは病院に行きますか?それともマッサージや整体などに行きますか?身体の不調を感じた際はとても不安になると思います。その際に、自分の身体がどのような状態なのか?どのように対策したらよいのか?などの情報を知りたくなることが多いのではないでしょうか。

CureCareは『家庭の医学』のように、あなたが不調を感じ、不安になった際に、頼りになり、寄り添えるそのような存在になりたいと考えております。お身体に関する情報を定期的に発信することで、皆様の健康を守るお手伝いをしていきたいと考えています。

どのような情報を発信するメディア?

CureCareでは疾患に関する、下記の5つの情報を網羅して、発信していくことを目標としています。
①身体に痛みや不調が発生した際、どのような症状なのか?可能性のある疾患はどのようなものか?
②その疾患は何が原因で起こりうるのか?
③セルフケアなどをふくめ、すぐにできる対策にはどのようなものがあるか?
④治療方法はどのようなものがあるのか?また、どこにいけば診察・治療ができるのか?どのような治療方法が効果的か?など
⑤再発しないための予防策にはどのようなものがあるのか?

上記のような疾患情報をはじめ、整骨院や鍼灸院はどのような施術が行えるのか?保険診療とは何か?など、普段あまり知られていない業界情報なども発信していきたいと考えています。

正確な情報を担保するための仕組み

疾患系の全記事は、有資格者による執筆

当メディアでは、柔道整復師や鍼灸師などの有資格者による執筆を行っていきます。

様々な記事監修体制

当メディアは、大学講師や、医学博士として研究発表を行うなど様々な経歴を持ち、スマイルアンドサンキュー株式会社にて統合医療教育研究センター長を務める本城久司氏が監修します。また今後は、様々な組織にも監修協力をいただき、記事の正確性・信憑性を高めていきます。

記事監修(敬称略)
本城 久司 
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)

まとめ

CureCareでは痛みや身体の不調の治療方法だけではなく、予防方法までお届けすることでの、「根本改善」を大切にしたいと思っています。メディアを通じて皆さまの健康を守るお手伝いをしていくためにも、読みやすく・正確な記事を定期的に発信してまいります。今後ともCureCareをよろしくお願いいたします。

ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
この度、医療家の新卒ならびに中途社員向けに、リクルートサイトを全面リニューアルいたしましたので、お知らせいたします。

今回のリニューアルでは、より見やすく、より伝わるよう、
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最新の求人情報の発信をはじめ、充実した研修制度のご案内、先輩社員のエピソードなど、スマイルアンドサンキューの価値観・社風、働き方や福利厚生等の制度について、より理解を深めていただけるよう情報を公開しております。
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この度、当社グループ整骨院がラジオ出演することとなりました。
地域の皆様の健康増進につながる情報を少しでも多く発信し、
笑顔と感謝の気持を伝えてまいります。

番組では内側からいつまでも若々しく輝き続けるカラダ作りのための情報や、
健康に関する様々な情報をお届けして参ります。
番組の後半では、ご自宅で簡単にできる体操
「健康リモートトレーニング」のコーナーもございます。

ご視聴いただければ幸甚です。

■番組情報
FM世田谷【周波数83.4MHz】
「健康オンライン!スマイルサンキュー」
毎週水曜 11:00~11:10
2020年8月5日から放送開始

ナビゲーター:石岡麻奈美さま
FM世田谷さま ホームページ:https://fmsetagaya.com/

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